2013年5月12日 岡山国際交流センター 国際会議場
1854 年に起こった南海地震津波の実話を題材とした、デフ・パペットシアター・ひとみの人形劇公演「稲むらの火」。大掛かりな舞台装置と「語り」と「手話」で進 行する人形劇で、5歳児から大人まで多くの方に楽しんでいただける作品です。満席のお客様をお迎えして、5月12日、岡山国際交流センターで無事に開催を 終えました。
今回の公演は、岡山ではなかなか観劇することができない「デフ・パペットシアター・ひとみ」の人形劇で、岡山の子どもたちに「津波」のことをつたえることが出来ればと企画したものです。
オープニングに登場したハンスが「子ども防災ネットワークおかやま」のことを紹介。災害の少ない岡山だからと油断せず、地震や津波のことをよく知ってそれに備え、自分の命や家族の命を守れるようになりたいねと子どもたちに語りかけました。
フリーアナウンサーの遠藤寛子さんは手話通訳とMCを同時に行うという、むずかしい役どころに笑顔で挑戦。会場のろう者のために、当日は、岡山県聴覚障害者協会から手話通訳士も参加しました。
親子鑑賞会 人形劇「稲むらの火」当日のイベント風景(動画)
開場を待って並ぶ親子連れ。プログラムを手に、稲むらの話を小さな子どもにしているお年寄りの姿も。
オープニングに登場したハンスが「子ども防災ネットワークおかやま」のことを紹介。災害の少ない岡山だからこそ、地震や津波のことをよく知ってそれに備え、自分の命や家族の命を守れるようになりたいねと子どもたちに語りかけた。フリーアナウンサーの遠藤寛子さんは手話通訳とMCを同時に行うという、むずかしい役どころに笑顔で挑戦。会場のろう者のために、当日は、岡山県聴覚障害者協会から手話通訳士も参加(右端)。
人形劇「稲むらの火」を演じるのはデフ・パペットシアター・ひとみ。ろう者(耳の聞こえない人)と聴者(聞こえる人)がともに演じる国内で唯一のプロの人形劇団で、セリフに頼らない表現を得意としている。2008年に稲むらの火を人形劇化。東日本大震災で一旦封印した形であったが、今回、子ども防災ネットワークおかやまの招聘に応じて、来岡した。幻想的な導入部で子どもたちを惹きつけ、舞台は和歌山の海辺の秋祭りのシーンへ。
五兵衛の勇気と知恵で生き残ることができた村人たちは、津波のことを子孫に伝えていくことを誓うのだった。
人形劇のあとは災害時に知っておくと便利な知恵を紹介。オタスケマンの仕草に子どもたちの笑い声が上がった。
聴覚障害者でも、拍手をしていることがわかるよう、大きく手を広げてヒラヒラ動かして見せる「静かな拍手」。
場内では、3月に「子どもたちに伝えたい防災のこと」でも使用したパネルで、子ども防災ネットワークおかやまの活動や、災害イマジネーションを養う防災体験プログラム、地震直後のサバイバルに必要な知恵を紹介。
終演後、デフ・パペットシアター・ひとみのメンバーと人形たちがお見送り。興味津々で見つめる子どもたち。
くらしき作陽大学で児童教育を学ぶ学生たち。終演後、操り人形や人形劇舞台を見学、操りの説明を受けた。
「読売新聞 2013.5.16|人形劇「稲むらの火」・・・津波の怖さ教える人形劇・北区 親子鑑賞会に400人」同日の紙面に災害図上訓練の様子も。岡山でも、防災減災に対する意識は高まりつつある。
「子ども防災ネットワークおかやま」の活動の原点ともいえる言葉を、人形劇のオープニングでハンスに語らせた。
2年前、東日本を大きな地震が襲った。そして見たこともないような大きな津波が たくさんの命を奪った。
世界中の人が困っている日本を助けてくれて、日本のなかで地震や津波の来なかった地域の人たちも、なにか自分たちにできることがないか、一生懸命、考えた。
岡山では、全労済岡山県本部のおじさんやおねえさんたちが、子どもたちのためにいつも活動している人たち(※)に声をかけて「子ども防災ネットワークおかやま」 という チームを作った。
それでね。 子どもたちに、自分の命を守ること、そして友だちや家族の命を助けるために自分ができることをこれからも、ずっと 教えることにしたんだって。
子ども防災ネットワークおかやまは、2011年10月に発足し、県内の幼稚園・保育園への「防災体験プログラム」の出前授業、2012年、2013年3月に倉敷市と共催で行った「子どもたちに伝えたい防災のこと」など、さまざまな活動を続けています。(※)=岡山県子ども劇場センター、笠岡子ども劇場センター、岡山市子どもセンター、一般社団法人チカクの4団体を指します。
アンケート
- 難聴なので手話勉強中です。また手話関連行事があるといいです。楽しくわかりやすかった。手話もありがたいです。ありがとうございました。
- とても良い企画でしたね。子どもたちに手話のことを知ってもらうチャンスはみないので頑張って積み重ねてほしいと思います。
- 短い時間でしたが子どもから大人までわかりやすく災害のことを説明して下さってよかったです。楽しく勉強できました。
- 人形劇の時に手話もあったので2つの勉強ができた。クオリティの高さに感激しました。
- 小学校では地震や津波の学習の機会がなく家庭でもなかなか伝えきれないと思っていたので今日は素晴らしい機会を与えて頂きました。
- 津波の事がよくわかり、子どもたちにとってはとてもわかりやすかったと思います。手話も大変よかった。
- 倉敷作陽大学から来させて頂きました。人形劇を通して伝えるということを改めて考えさせられました。海の生き物のシーンと稲村へ走るシーンが印象的でした。人と人とが助け合うということを大切なことに気づかされました。
- 短い劇でしたがとても見ごたえありました。初めて知るお話で、これから伝えていきたい大切な内容でした。ありがとうございました。
- 小さな子どもにも分かりやすくてよかったです。
- 最初のパペットが楽しかった。子どもに対し防災、手話への関心が高まり教育に良い。来て良かった。
普段、防災に関して心がけていることがありますか?→どんなことにこころがけていますか?
- 家族の集合場所、確認事項などの話し合い。
- ストーブなので火の元の確認。避難所の確認。懐中電灯をすぐつかえるところにおくこと。
- 子どもと非難が別々な時にどうするか話をしています。
- 寝室には落下物を置かない。大きい家具は壁に固定する。地震が起きたらどうしたらよいか子どもをとはなし合っておく。
- 食品や軍手、アルミシートなどを用意している。
- 寝る部屋にタンスなど背のある物を置かない。
- 火の消し忘れのないようチェックする。
- 食器が飛ばされないように支えをつりつけている。
- 家具の下に滑り止めを敷いて、ガタガタならにようにする。
- 近所でしらせあうこと。